数字が語る医療の真実

がん検診は受けた方がいいのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「進行がん」や「末期がん」のことばかり取り上げてきましたが、「早期に見つけて早期に治療すれば、そんな心配をしなくてもすむのではないか」と思われる方も多いでしょう。そこで、がんを早期に見つけて早期に治療するがん検診に焦点を当てて、さまざまな視点から、さまざまな研究を紹介しながら、「実際にどうしたらいいのか」を考えてみたいと思います。

「どうしたらいいかって、がん検診を受ければいいじゃないか」「受けたほうがいいに決まっている」といった意見が大部分かもしれませんが、話はそう単純ではありません。事実、「がん検診は受けるべきではない」との意見を耳にすることもあるはずです。

 最初に私の結論を言ってしまうと、「受けるべきだ」という意見も「受けないほうがいい」という意見もどちらも正しく、どちらも間違っています。別の言い方をすれば、がん検診を受けたほうがいいかどうかは、「どちらとも言えない」あるいは「どちらでもいい」というところでしょうか。それでは身もフタもないと言われるかもしれませんが、現実はそうしたハッキリしないものなのです。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。