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砂糖税<1>WHOが推奨 厚労省の有識者会議も昨年6月に提言

 世界保健機関(WHO)が今月11日、肥満や糖尿病を減らすため、砂糖の入った飲料に対して課税を進めるよう、各国に呼びかけたそうです。理由は砂糖入り飲料の消費は「肥満や糖尿病の主因」で、「政府が課税すれば命を救える」と考えたからです。

 実際、WHOは昨年3月に発表した指針で1日当たりの糖分の摂取量を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えると虫歯や肥満の予防効果が高いことを指摘しています。

 平均的な大人の場合、総摂取カロリーの5%は砂糖25グラムでスプーン約6杯分。一般的な炭酸飲料1缶分の砂糖が約40グラムとされることから、1缶で1日分をオーバーすることになります。

 日本では唐突なイメージがありますが、欧米では砂糖税を導入している国は多く、フランス、メキシコ、ハンガリー、米国カリフォルニア州バークレーなどに続いて、英国でも2018年から砂糖税の導入を決定しています。

 英国は「欧州の肥満大国」との異名があり、肥満対策費に年間470億ポンド(約6兆円)を使っているので、ある意味当然といえます。

 日本では、昨年6月の厚労省の有識者会議「保健医療2035」で砂糖税の導入が提言されています。しかし、日本はサトウキビ農家を保護するための調整金制度があり、その費用は転嫁され、最終的に消費者が負担しています。さらなる砂糖税について業界の反発は大きいといわれています。

(AGE牧田クリニック・牧田善二院長)