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砂糖税<2>中毒性が肥満の原因

 世界保健機関(WHO)は「砂糖が健康への脅威である」と主張していますが、本当なのでしょうか? その答えになる映画があります。オーストラリアの映画監督デイモン・ガモー氏が自ら実験台になったドキュメンタリー映画「ザット・シュガー・フィルム」です。

 日本でも「あまくない砂糖の話」というタイトルで上映されて話題になったので覚えている人も多いでしょう。1日の摂取カロリーを変えずに、毎日、ティースプーン40杯分(約160グラム)の砂糖を60日間取り続けると、どうなるかを記録したものです。

 結果、体重は8.5キロ増加し、腹囲は10センチアップし、肝機能(ALT)が40以上上昇して、脂肪肝になり、中性脂肪(TG)が150%上昇したというのです。これは「人はカロリーでなく糖質、とくに砂糖で太る」ということを告げています。

 では、なぜ砂糖を摂取すると太るのでしょう? それは砂糖に「中毒性」があるからです。ご飯やパンは多糖類なのに対して、砂糖は果糖とブドウ糖がくっついた2糖類です。つまりは体の中に入った際、分解・吸収が早いということです。その結果、血糖値は急上昇し、そのピーク時にエンドルフィンやドーパミンといった「脳内麻薬」が分泌され、ハイ状態になります。

 そして血糖値が急激に下がると、イライラして不機嫌になります。それを解消するため、さらに甘い物(砂糖など)が欲しくなる――という構図が完成されるわけです。

(AGE牧田クリニック・牧田善二院長)