罹患数予測トップ 前立腺がんは切らずに放射線治療で治す

治療しない方が健康に暮らせるケースも(提供写真)

 PSAとは前立腺の上皮細胞と尿道の周囲の腺から特異的につくられて分泌される糖タンパクの一種。前立腺にがんができると、この分泌量が正常の2倍以上に増えるといわれている。

「PSA検査をきっかけに体の細胞を採取して顕微鏡で調べる精密検査を受け、がんと確定する人が増えているのです」(都内の泌尿器科医)

 最近では高精度のMRIと超音波検査立体生検を組み合わせた「フュージョン生検」と呼ばれる新たな画像診断検査法も開発されており、1センチ以下の小さながんでも発見できるようになっている。

「かつては、前立腺の治療は前立腺の周りを含めごっそり取る“全部切除”が常識とされ、開腹手術が選択されてきました。しかし、前立腺がんは進行が遅く、5年生存率は80%以上。治療しない方が健康に暮らせるケースもあるので、待機療法を選択する人もいます。また、排尿や勃起に関わる神経を残すなど患者さんの負担を軽くするため、腹腔鏡手術やロボット手術なども増えています」(黒崎部長)

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