独白 愉快な“病人”たち

即死レベルから11年 小西博之さんががんを受け入れるまで

手術の痕を見せる小西博之さん(C)日刊ゲンダイ

■がんとは戦わない

 手術はその道では大変有名な名医にしていただきました。とても大掛かりで、傷口は肋骨の辺りから背中にかけて大きなV字を描いています。肉を切って肋骨をギューッと持ち上げて取り出そうとしたそうですが、それだけでは取り出せず、結局、肋骨を2本切りました。名医ですらそうしないと取り出せない状態だったんです。麻酔が切れてからの痛みは言葉にできません。

 でも、僕は「がんに勝とう」なんてこれっぽっちも思っていませんでした。他人はよく「がんと闘う」と言いますが、その言葉は嫌いです。これは高校時代の野球部の監督の言葉なんですけど、「勝ちたいと思うな。勝った後、帰ってきてみんなで大喜びしている姿を想像しろ」とよく言われました。目標は楽しいことにした方がいい。だから、病気をした僕は目標を「『徹子の部屋』に出ること」にしたんです(笑い)。

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