スマホ遠隔医療の普及に欠かせないのが、処方箋の電子化です。せっかく通院の手間が省けても、あとで病院に処方箋をもらいに行かなければならないとしたら、遠隔医療の恩恵も半減してしまいます。処方箋を郵送してもらうという手もありますが、薬局に行く手間がかかります。「電子処方箋がスマホに送られてきて、それをネット上の薬局に転送するとクスリを郵送してもらえる」という具合になれば、ずっと便利になるはずです。
一方、日本の法律では、処方箋は紙で、しかも医師の署名ないし押印が必要とされてきました。しかし高価な新幹線チケットや航空券ですら、スマホ対応になっている時代です。処方箋だけが、いつまでも紙というわけにはいきません。そのため厚労省は今年4月から、「電子処方箋の解禁」に踏み切ったのでした。ところが、ほとんど使われていないのが現状です。
とにかく使いにくい仕組みなのです。電子処方箋といっても、患者本人に直接送られてくるわけではありません。いったん地域医師会のサーバーなどを経由して、所定の調剤薬局に送るというやり方です。患者が保険証を持ってその調剤薬局に行くと、クスリを出してもらえるのですが、別にこれといって恩恵があるわけではありません。
スマホが医療を変える