調剤薬局側でも、電子処方箋には乗り気でありません。実は薬局と病院のあいだには、クスリの処方を巡って「疑義照会」といわれる問い合わせが頻繁に行われているのです。また疑義照会の結果、処方内容を変更するといったこともさほど珍しくありません。厚労省が打ち出した電子処方箋では、そうした対応が難しいのです。
医者にも患者にも薬局にも使い勝手がいいシステムとなると、厚労省や地方医師会の手に余ります。そうこうしている間に、海外の巨大IT企業が乗り出してくるかもしれません。
調剤薬局絡みの総医療費は7.2兆円(2014年)にも達しています。ビジネスの余地はいくらでもありそうです。さすがに日本政府も、すぐに海外企業に門戸を開くようなことはないでしょう。しかし、いつ外圧に屈してしまうかもしれません。
電子処方箋は技術的というよりも、実は政治経済の問題なのです。
スマホが医療を変える