予備軍は要注意「たかが風邪」の油断が糖尿病の引き金に

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そうした“予備群”にとって、風邪は軽く考えてはいけない病気だ。糖尿病専門医で「しんクリニック」院長の辛浩基氏が言う。

「風邪をひいたことがきっかけで、糖尿病を発症する患者さんがいるのです。風邪をひくと、それだけで血糖値は上昇します。風邪で起こる体内の炎症によって、筋肉や臓器が持っている血中のブドウ糖を取り込んで処理する能力が低くなります。つまり、インスリンの効きが悪くなって血糖値が上がるのです。高血糖の状態を気づかずに放置していたり、糖尿病予備群の人は、風邪がきっかけで一気に糖尿病を発症する可能性があります」

■炎症や脱水が血糖を上げる

 また、風邪による発熱も、血糖状態を悪化させる。人間は、発熱すると発汗して体温を下げようとする。37度程度の発熱で約1リットル、38度程度では約1.5リットルの水分が失われるといわれる。そのため、しっかり水分補給しないと脱水状態になってしまう。

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