役に立つオモシロ医学論文

怒りやすい人は心筋梗塞を発症しやすい?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 心筋梗塞発症1時間以内において、14.4%にあたる1752人で怒りの感情を有しており、また13.6%にあたる1650人で激しい身体活動がありました。心筋梗塞の発症リスクは、怒りの感情があると2.44倍、激しい身体活動があると2.31倍、統計的にも有意に増加しています。また、激しい身体活動と怒りが同時にあると、心筋梗塞のリスク上昇は約3倍にまで上がることが示されています。

 怒りの感情が心筋梗塞リスクを上昇させるだけでなく、それに加えて激しい身体活動があると、さらにリスクが上昇するという結果でした。心筋梗塞予防には、やはり感情のコントロール、そして運動量も重要と言えるかも知れません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。