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砂糖税<4>人工甘味料は腸内細菌叢のバランスを崩す

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「砂糖税」は砂糖や人工甘味料が添加された飲料への課税です。目的は健康への悪影響を少なくすることですが、人工甘味料は「砂糖じゃないから健康には影響しないのではないか」と考えている方もおられるでしょう。

 しかし、健康な人が人工甘味料を取り続けると、腸内細菌叢のバランスが崩れて「耐糖能」が悪くなるとの論文が発表されています。「耐糖能」とはインスリンがブドウ糖を処理する能力のこと。つまり、人工甘味料を使い続けると、インスリンの効き目が悪くなるというのです。

 腸内細菌叢のバランスが崩れると、他にもさまざまな症状が表れます。そのひとつが「リーキーガットシンドローム」(腸管壁浸漏症候群)です。食べ物を口にすると分解された栄養素は腸から吸収され、不必要なものは便として排出されます。ところが、「リーキーガットシンドローム」になると、腸粘膜のひだに穴が開き、そこから本来は吸収されるべきでない老廃物や毒素が吸収され、病気の引き金になるのです。それによってクローン病やリウマチ、食物アレルギーになるといわれています。

(AGE牧田クリニック・牧田善二院長)