Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

小倉智昭さんが膀胱がん告白 人工膀胱が嫌なら手術拒否も

小倉智昭さん(C)日刊ゲンダイ

 そこで、小倉さんは通院しながら遺伝子治療を受けているとのこと。今のところ転移はなく、順調な治療経過に喜んでいましたが、遺伝子治療は医学的に有効性が証明されているわけではありません。あくまでも“たまたま”。保険が利かず高価なこともあり、一般にはお勧めできません。

 では、どうするかというと、放射線と化学療法の併用です。文太さんもこれで膀胱がんを克服。2007年に「半年から1年」と宣告された余命を大幅に延長し、14年に亡くなる直前まで7年も元気に前向きに生活されていました。

 日本は治療が手術に偏る傾向がありますが、欧米は小倉さんや文太さんのステージ2なら放射線が選択されます。文太さんの充実した晩年は、その選択の結果です。小倉さんも「まだやりたいこと、いっぱいある」と語っています。膀胱がんで前向きに生きたければ、外科医が勧める手術以外の方法も考えるべきだと思います。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。