看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

医療の現場でガイドライン がん治療後の妊娠・出産に注目

 当然、病状の進行具合や治療の経過では、妊孕性が温存できない状況もあります。その可能性も考えた上で治療法を検討できるようになったことは、大きな進歩といえます。

 一方、治癒率の高い治療法と妊孕性の温存のどちらを優先すべきか。子供を授かったとしても、再発の可能性が高い状態では、子供を残して、残念ながら亡くなってしまうケースもあるが、どうすべきか。こういった「児の福祉」も議論されています。

 この問題は、患者さんだけでなく、家族も含めて十分な検討の上で決定されるもの。腫瘍専門医や生殖医療専門医、産婦人科医だけでなく、看護師、臨床心理士などの専門職が連携してサポートしていく問題といえます。

 現在は、高度生殖医療が実施できる施設が限定されていたり、地域格差があったりと課題も多くありますが、今後は連携ネットワークをつくりながら取り組まれる分野となっています。

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