スマートフォンを活用した臨床研究が始まっています。日常生活と病気の関係や、病気がどう進行していくかを長期にわたって明らかにしていく研究です。
糖尿病や高血圧などが、毎日の食事や運動とどのくらい関係しているのかを調べるのは大変です。どんなときに喘息発作が起こるのかも、個別の患者から聞いた話だけでは統計的な説得力は得られません。そのため、従来は外来患者などにお願いして、毎日記録をつけてもらい、さらに定期的に病院に来てもらうなどして研究を行っていました。しかし、それでは病院の近所に住んでいる、時間に余裕のある人ばかりになってしまい、あまりいい研究にはなりません。
スマートフォンは、こうした問題を一気に解決しつつあります。大学などの研究者が臨床研究を始めるにあたって、まず、データ収集用の専用アプリを作り、次にSNSなどで広く参加を呼び掛けます。参加者はもちろんボランティアです。自分のスマホにアプリをダウンロードして、所定のデータを計測し、アプリに入力。データはアプリから研究者のサーバーに転送されるという仕組みです。
スマホが医療を変える