ストレス解消や胃酸中和も 「歯ぎしり」に多くのメリット

歯を壊し不調をもたらす“悪役”といわれるが…

 寝ている間に知らず知らずのうちに起こしている歯ぎしり。別名「ブラキシズム」(口腔内悪習慣)と呼ばれ、歯を壊し、体全体に不調を来す“悪役”のイメージが強い。ところがこの歯ぎしりには多くのメリットがあるという。どういうことか。市川歯科医院(東京・虎ノ門)の市川信一院長に聞いた。

「一般の人は歯ぎしりによる虫歯や、歯周病、歯列の乱れなどの悪い面ばかりに目を奪われますが、なぜ人は歯ぎしりをするのか、どんなメリットがあるかにも目を向けるべきです」

 歯ぎしりの発生率は小児10~20%、成人5~8%、高齢者2~3%といわれる。しかし、これは「患者の歯ぎしり音による自己申告」によるもの。TCH(上下歯列接触癖)など、本人が気づかない歯ぎしりを含めれば、かなり多くの人が行っている。歯ぎしりには、それだけのメリットがある。

「例えば、ストレスの解消です。どんな人も日常生活を行ううえでストレスを感じます。それを睡眠時に歯ぎしりという形で解消していると考えられます」

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