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【不明熱感染症外来】東京高輪病院/感染症内科・総合内科

右は感染症専門医の岡秀昭部長(C)日刊ゲンダイ

「結核でも、全体の3割は肺以外の臓器が侵される肺外結核が占めます。呼吸器内科の医師以外は結核の診断に慣れていませんので、肺以外に結核が発生すると診断が遅れる傾向があります。化膿性脊椎炎では発熱と腰痛が出るので、内科へ行くと“腰痛があるから整形外科へ行ってくれ”と言われ、整形外科へ行くと“熱があるから内科へ行ってくれ”と言われ、患者さんは困ってしまうのです」

 同外来を訪れる患者は、他院からの診断困難例の紹介患者と他院での診断治療に不安を持つ患者の割合が半々。不明熱の診療は問診が重要になるので、初診は1人30分以上の時間をかけるという。

■常に流行病の発生状況をチェック

「原因を探るのは、ごまんとある飲食店の中からおいしい店を探すのと似ています。発熱以外に症状はあるか、仕事は、どんなものを食べているか、海外へ行ったか、同居者の様子、ペットを飼っていないかなど。あらゆることを徹底的に聞き取って、病因を絞り込んでいきます。皮疹や腫れなどの症状を本人が気づいていない場合があるので、頭のてっぺんから足先まで、全身も診ます」

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