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【不明熱感染症外来】東京高輪病院/感染症内科・総合内科

右は感染症専門医の岡秀昭部長(C)日刊ゲンダイ

 同科では国内外問わず、常に流行病の発生状況をチェックしている。たとえば軽症ではインフルエンザと区別がつかないレプトスピラ症という病気がある。ネズミの尿にいる菌が原因となり、日本では本州での発症はごくわずか。ある中年男性が家族旅行で沖縄に行き、川で泳いだことがヒントになり、感染が判明した症例がある。都市部の一般内科では、まず気づくことは少ないという。

 医師から出された薬が発熱の原因になる場合もある。はっきり診断がつかないのに「とりあえず抗生物質を出しておきましょう」と言われたら要注意。抗てんかん薬、不整脈の薬、胃薬などでも“薬剤熱”が出る可能性があるという。

「不明熱では診断がつかないうちに『抗生物質』や『ステロイド』を処方しないのが鉄則です。使うと、いったん熱が下がるので症状をマスクしてしまいますが、必ずしも治癒しません。薬剤アレルギーで皮疹や下痢が出た場合には、ノイズとなって本当の診断をじゃまします。発熱で医師が納得いく説明もなしに抗生物質をコロコロ替えるようなら、感染症専門医のいる病院を受診するべきです」

<データ>
元せんぽ東京高輪病院。2014年から独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)へ運営が移行。
◆スタッフ数=医師8人(うち同外来担当3人)
◆年間初診患者数(2015年度)=624人
◆診療日=月・水・金(予約制)

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