年を取ったらクスリを見直せ

消炎鎮痛薬は腎臓に負担がかかる

 実際、虫歯の治療後に処方された消炎鎮痛薬を服用後、腎機能が低下した患者さんがいます。服用3日後、全身の強いだるさ、尿量の著しい減少とともに「腎機能低下(急性腎不全の疑い)」が起こりました。幸い、生理食塩水の点滴と服薬の中止のみで、1週間後には正常値に戻りましたが、そのまま悪化してしまう危険もありました。この事例では、むし歯による痛みで「食事や水分の摂取量が少なくなっていたこと」もひとつの原因だと考えられています。

 消炎鎮痛薬を服用後、「むくみ、尿量の減少、だるさ、食欲不振、吐き気」などが見られた場合には、すぐに医師や薬剤師に連絡してください。

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中尾隆明

中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。