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腎臓<3> 血圧が上がる仕組み

(C)日刊ゲンダイ

 腎臓の機能が低下すると最終的に、血液中の老廃物が全身に回り、尿毒素症を発症し、血液透析に至るということが一般的です。

 しかし、腎機能の低下がごく初期のうちから、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が高いことが指摘されています。特にタンパク尿が出ていると、健康な人に比べて男性で約2倍、女性で約4倍と高率で死亡しているという報告があります。

 この大きな原因が高血圧です。腎臓は高血圧の影響を受けやすい臓器で、高血圧の状態が続くと組織のダメージが進みます。

 さらに、腎臓からはレニンと呼ばれるホルモンが分泌され、血圧をコントロールしています。腎臓の障害が進むと、このコントロールがうまくいかなくなり、血圧が上昇してしまいます。

 本来なら血圧が高くなればレニンの分泌は減り、血圧は低くなるはずです。ところが、腎不全で腎臓の血流量が減ると、腎臓は血圧が下がったと勘違いしてレニンが過剰に供給され血圧が高くなったまま維持されるのです。

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