Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

治療しない選択肢も 平尾誠二氏の命奪った胆管がんの知識

53歳で亡くなった平尾誠二さん(C)日刊ゲンダイ

 では、どうするか。川島さんは生前、「仕事を休みたくないから抗がん剤は嫌」とブログにつづっていて、亡くなる直前まで舞台に立っていたのは記憶に新しいでしょう。

 もし抗がん剤治療を受けていたら、吐き気や倦怠感、腎機能障害などの重い副作用で生活の質がガクッと落ち、果たして舞台をまっとうできたかどうか分かりません。

 治療の選択肢が少ないがんと診断されたときは抗がん剤の重い治療は避け、痛みなどを取る緩和ケアにとどめ、生活を優先することも、ひとつの考え方です。胆管がんはすべてのがんのうち2~3%と少ないものの、増加傾向にありますから、そういう考え方があることも頭に入れておくといいかもしれません。

3 / 3 ページ

中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。