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腎臓は電解質のバランスのかじ取り役

 さらに、腎臓はカルシウムやリンといった骨ミネラル代謝の中心も担っています。腎機能が低下すると、リン排泄能力が低下して、リンが体内に蓄積します。加えて、カルシウムの吸収に必要なビタミンDの活性化も障害されるため、カルシウム不足が生じます。すると、副甲状腺ホルモンが増加し、骨の中のカルシウムやリンを血液中に分泌します。

 その結果、骨はもろくなり、血液中に増えたカルシウムやリンは血管の壁にくっついて血管の石灰化を引き起こします。これが、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった心血管疾患の危険因子になると考えられています。

(松尾内科クリニック・松尾孝俊院長)

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