治療の難題をクリア 「進行パーキンソン病」新薬の実力

働き盛りでの発症も多い(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

「ウエアリングオフ現象やジスキネジア現象が見られるようになり、より進行すると運動・非運動症状の増悪、認知症、転倒などが起こりやすくなります」(順天堂大学医学部神経学講座・服部信孝教授=以下同)

■症状に応じて投与量を微調整可能

 ウエアリングオフ現象は、スイッチをオン・オフするように、服薬後、数時間で薬の効果が切れて動けなくなる(オフ状態)。ジスキネジア現象は、自分の意思とは関係なく、体の一部が自然に動く。

 今回の新薬は、既存の薬物治療では十分な効果を得られず、ウエアリングオフ現象などが起こるようになった患者を対象としたもの。

 経口投与だった既存薬と違い、今回登場した新治療薬は、専用のチューブを通して空腸(小腸の一部)へ直接薬を投与する。しかも、16時間持続して、だ。チューブは、腹部に開けた穴(胃ろう)から空腸へつなぐ。

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