年を取ったらクスリを見直せ

過剰摂取になりやすい「抗コリン薬」

 体の活動を調節するために、24時間働き続けているのが自律神経です。「交感神経」と「副交感神経」に分けられ、その活動には「アドレナリン」や「アセチルコリン」といった体内の神経伝達物質が関与しています。

 アドレナリンが交感神経に作用すると、血管が収縮したり心臓の機能が高進し、アセチルコリンが副交感神経に作用すると、胃腸の活動が活発になったり、唾液の分泌が高進します。

 このうち、アセチルコリンの作用を邪魔する働きは「抗コリン作用」と呼ばれ、抗アレルギー薬、胃腸薬、抗うつ薬、睡眠薬、頻尿の改善薬など、数多くの薬に利用されています。

 たとえば、抗アレルギー薬である「ベナ錠」(ジフェンヒドラミン)は、アレルギーを抑える効果に加えて、抗コリン作用を併せ持ちます。そのため、副交感神経が抑制され、口の乾きや便秘などの副作用が起きやすくなります。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。