日本が世界リード 内視鏡検査の要は「解像度」より「光」

 もちろん画像処理技術も進歩していて、解像度もアップしてきた。さらに解像度が高い内視鏡を使えば、より正確で詳細な検査を受けられると思っている人がほとんどだろう。しかし、実際に臨床の現場で数多くの胃カメラ検査や大腸内視鏡検査を行っている消化器専門医は、必ずしもそうではないという。

「検査を行う際、カメラの解像度がいま以上にアップしても、患者さんにも医師にもプラスになるかといえば疑問です。見えすぎることで、かえって病変がわかりづらくなってしまうケースがあるからです。たとえば胃がんの場合、胃の粘膜が荒れてしまっている患者さんが多く、ただでさえ表面がでこぼこしています。細かく見えすぎると、正常な粘膜なのか、がんなのか、かえって混乱してしまうのです」

 また、解像度がアップしたことで超早期のがんを見つけることができたとしても、患者にとって有用とは限らない。

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