愉快な“病人”たち

歌えなくなったら…木山裕策さんの運命変えた後悔と挑戦

現役サラリーマン歌手の木山裕策さん(C)日刊ゲンダイ

 医師からは「でも、甲状腺がんは進行がゆっくりですし、この大きさなら取ってしまえば大丈夫」と言われ、自分でもインターネットで調べて生命に関わることはほとんどないと知り、少しホッとしました。でも、手術の前日になってさらなる衝撃が走りました。手術の承諾書にサインをする際、「かすれ声になるリスクがあり、最悪は声が出なくなることもあります」と言われたのです。思わずサインをためらいました。

 私は、歌うことが大好きで、幼い頃から何十年間、土日のどちらかは自室にこもって2時間、思いっきり歌うという習慣がありました。ドアも窓も閉め切りますが、近所でも知られた“変なおじさん”だったんです(笑い)。もちろん、しょっちゅう会社の仲間とカラオケにも行っていました。歌手でもないのに「歌えなくなったらどうしよう」と不安になるのは本当におかしな話なんですけど、すっかり頭が混乱してしまったんです。

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