同様のことが直ちに日本で始まる可能性は、いまのところ低そうです。しかし、すでに外資系を含む数社が大企業の健康保険組合とタイアップして、スマホによる健康管理の効果について実証実験を始めています。
日常的に健康管理に気を配っている人と、そうでない人とで病気になる確率や死亡する確率がどのくらい違うかを、明らかにしようというわけです。そうしたデータが蓄積されてくれば、生活習慣や健康管理の程度に基づいて、生命保険や医療保険の保険料に差がつくようになってくるはずです。
それでも、民間保険の場合は任意加入なので影響は限定的。もっと深刻なのは、公的な健康保険に差がつく可能性です。世間には「努力した人と努力しない人の保険料が同じなのはおかしい」という思いが蔓延しています。
つい先日も、国会議員から「健康ゴールド免許」の話題が飛び出してきました。普段から健康管理を行っている人の医療費負担を優遇しようという提言です。実現すれば、保険料や病院窓口での支払いに差がつきます。メタボを放置したままの中年サラリーマンにとっては、生きにくい世の中に向かっているわけです。
スマホが医療を変える