ダイエットを科学する

スクワットはダイエット中に行う理想の運動

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「筋肉量を減らさずやせること。カギを握るのは筋肉」。これがいまのダイエットのトレンドだ。食事制限でいくらやせても、筋肉が脂肪に取って代わる「隠れ肥満」になっては本末転倒。糖尿病や高血圧などのリスクをアップさせ、命すら危うくしかねないからだ。

 安易な食事制限のみのダイエットに警鐘を鳴らす筑波大学大学院の久野譜也教授も著書「寝たきり老人になりたくないなら ダイエットはおやめなさい」(飛鳥新社)のなかで、3カ月の食事制限ダイエットで5%の筋肉が失われ、将来寝たきりになるリスクが高まると警告している。

 その久野教授を含めて多くの専門家がダイエット中の運動として勧めているのがスクワットだ。

 限られた時間で効率よく筋肉を鍛えるには、脚、胸、背中、お腹といった大きな筋肉を鍛える方がいい。それには、どこでも手軽にできて下半身はもちろん、背中や腕の筋肉まで一緒に鍛えられるスクワットが一番。

 実際、スクワットでは太ももの前面の大腿四頭筋、お尻の筋肉である大臀筋、股関節の内側の筋肉である内転筋群、太ももの裏側のハムストリングも鍛えられる。

■ただし、痩せはしない…

 ひとくちにスクワットといってもやり方はさまざま。王道はノーマルスクワットだ。両足を肩幅にして立ち、両手は前に真っすぐ伸ばす。お尻を突き出すイメージで、腰を沈める。このとき膝とつま先を同じ方に向け、曲げた時に膝がつま先より前に出ないようにする。膝を痛めないためだ。息を吸いながら太ももが床と平行になるまで腰を沈め、吐きながら起き上がる。できたらその状態を10秒くらいキープするといい。体の奥底で背骨と大腿骨をつなぐ大腰筋を鍛えることになる。

 大臀筋と大腿四頭筋を効率よく鍛えたいなら、スプリットスクワットがオススメだ。両足を前後に開き、胸を張って背筋を伸ばす。両手は腰に添えるか頭の後ろで組む。前に出した足の膝を曲げて体を沈めていく。このとき背筋は伸ばしたまま。前足の太ももが床と平行になったら、一度停止する。後ろ足のかかとは浮かせる。背中は丸めない。

 ただし、勘違いしてはいけないのはスクワットだけではやせないということ。やせながら筋肉量だけを増やすのはまず無理。スクワットはダイエット中の筋肉減少を抑えるための筋トレだということは覚えておこう。