余命2カ月から生還 70歳男性“がん宣告”から“消滅”まで

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 翌日入院し、CT検査へ。そこで初めて大腸に穴が開き、膿が出ていることを知った。すぐに腹に穴を開けて膿を吸引し、その後人工肛門を作る手術を受けた。本格的な抗がん剤治療が始まったのは入院から1カ月後だった。

「ゼロックスと呼ばれる錠剤だけの治療でした。副作用で手足のしびれや口内炎などに悩まされましたが、そのたびに“最善を期待し、最悪に備えよう”という言葉を繰り返しました」

 この言葉は新聞に載ったある腫瘍内科医の言葉だが、がんと闘う加藤さんの心の支えになった。

「薬もつらいし、“がんを治療せず、放置しようか”とも思いました。末期の膀胱がんの会社の先輩は治療せず80歳でも元気だったからです。私には、私を頼る家族がいる。確実に生き残る道を選びました」

■励ましの本と手紙が

 7月後半に退院し、抗がん剤治療を続ける加藤さんの生きるためのもがきは続いた。多くの書物を読み、友人に相談した。結果、2つの行動を起こす。セカンドオピニオンと自由診療による治療だ。

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