余命2カ月から生還 70歳男性“がん宣告”から“消滅”まで

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「内心は反対だったかもしれません。しかし私はこれに賭けたのです」

 その間、学生時代、会社員時代の仲間、親類が、多くの励ましの手紙と本を送ってくれた。どんなに心強かったことか。

 その甲斐あってか、今年4月“がんの消滅”が判明する。大腸内視鏡検査で主治医が「アレッ、腫瘍がない。消滅している。特殊例だ」と絶句したという。その後のPET―CT検査でもがんは見つからなかった。

「どちらの治療が効いたのかは分かりません。なので、しばらくは抗がん剤、免疫療法とも続けるつもりです。治療費は1000万円近くかかりましたが、運がよかった。家族はもちろん、私の希望を尊重してくれた主治医、免疫療法の院長、それに友人の励ましと知恵、勤めていた会社の手厚い社会保障、どれが欠けても私は助からなかった。すべてに感謝です」

 加藤さんの唯一の後悔は、毎年受けている人間ドックで3年前から大腸内視鏡検査を勧められながら無視したこと。

「母親も大腸がんを患ったので素直に検査すればよかった。がんは自分で勉強して自分で治療法を選択すれば生き延びる可能性があると思います」

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