数字が語る医療の真実

がん検診が過大に評価されるカラクリ

写真はイメージ(提供写真)

 がん検診の害の問題についてばかり取り上げてきました。そこには「害の問題は分かりにくく、隠されやすい」という背景があります。

 逆にがん検診の効果については、「分かりやすく、過大に評価されることが多い」現状があります。今回からは、がん検診の効果がどのように過大評価されているのかを見ていきます。

 ただ、過大に評価といっても意図的なものばかりではありません。よほど気をつけて研究しないと、自然にがん検診の効果を大きく見積もってしまう面もあるのです。問題は結構複雑です。

 そのひとつに、がん検診を受けたグループの生存期間が、早期発見の分、長く見積もられるということがあります。

 たとえば「症状が出てから死ぬまでに3年かかるがん」があったとしましょう。このがんを症状が出る2年前に見つけたとすると、がん検診を受けた人の生存期間は2年間長くなります。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。