膀胱に200ミリリットルの尿がたまって尿意をもよおすとすると、何らかの原因で150ミリリットルしか出なければ、残りの50ミリリットルが膀胱に残っているので残尿感が生じる。
「ところが、膀胱には順応性があり、次第に残尿感が麻痺していきます。しかし、残尿を起こした原因はそのままなので、50ミリリットルから60ミリリットル、70ミリリットル……と残尿量が増え、慢性化していきます。残尿がある分、早く膀胱が満タンになるので頻尿になります」
つまり、頻尿と思い込んでいるのは、実は残尿だったということも。いや、むしろそれは、想像しているより多いと頴川教授は指摘する。ちなみに、「残尿感が麻痺」と述べたが、残尿と残尿感はイコールではないので、「残尿感がない=残尿がない」とは言い切れない。
知らないうちに「残尿」という問題点を抱えてしまうわけだが、放置しておくと深刻だ。