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厚労省の検討委員会が承認 タミフル0歳児も解禁へ

欧米ではすでに1歳未満の幼児への使用が認められている
欧米ではすでに1歳未満の幼児への使用が認められている(C)ロイター

 ベランダからの飛び降りなど服用後の異常行動が指摘され、10代への処方が原則禁止となっているタミフルの1歳未満の乳児への使用が解禁されることとなった。厚労省の検討委員会で承認されたもので、24日から保険収載される。

 解禁の理由は①子供がインフルエンザにかかると脳症などの重い合併症を起こす可能性がある②欧米では1歳未満の幼児への使用が認められているなどで、日本感染症学会など関連3団体の要望を受け入れた形だ。

 この判断は唐突のようにみえるが、今年9月6日の最高裁の判断も関係しているかもしれない。タミフル服用後に突然死した男児と、異常行動後にマンションから転落・事故死した中学生の遺族が医薬品医療機器総合機構に対して副作用被害として認めるよう求めた裁判で、最高裁が上告不受理の判断を示し、原告敗訴が確定したからだ。

 最高裁は突然死や異常行動はタミフルではなく、インフルエンザによる「可能性もあながち否定し去ることはできない」などとして下級審の判決を支持している。しかし、このような曖昧な言葉で原告側から出された科学的データを本当に否定できるのか、という疑問の声もある。

 ちなみにタミフルはインフルエンザの発熱の期間を1日程度短くし、症状を軽くするなどの効果があるとされている。