実際、2012年12月に米国で乳児への使用は承認され、米国疾病対策センターのガイドラインでは乳児を含む小児への使用が推奨されている。欧州でも同様だという。
乳児へのタミフル投与の海外臨床試験は大きいものが2つある。①米国16施設で行った、生後24カ月未満のインフルエンザ患者への試験と②スペイン、フランスなど6カ国11施設で行われた生後12カ月未満のインフルエンザ患者に対する試験だ。有害事象は①は87例中54例に起き、過敏症の1例を除いて薬との関連は否定された。②は薬との関係が否定しきれなかったものが65例中7例だった。
■保護者と相談のうえ処方を
ちなみに欧米ではインフルエンザで病院に行っても安静を命じられるだけで、めったに薬を処方されることはないといわれる。そもそも脳症はインフルエンザウイルスに対する過剰な免疫反応が原因とされ、乳児は免疫力が強くないことが幸いし、症状は幼児と同じに見えても脳症が少ないといわれている。