みなさん、がん予防の取り組みを始めていますか? 現在、科学的な根拠があるといわれている予防は6つあります。
①禁煙もしくは、たばこの煙をできるだけ避ける②節酒③適正体重の維持④減塩などの食習慣の見直し⑤適度な運動⑥ピロリ菌や肝炎ウイルスの感染予防――です。
先日、市民向けにがん予防についてお話しする機会がありました。①~⑤はみなさんご存じでしたが、⑥の「感染」は認識が低かったように思います。
ピロリ菌は呼気(吐き出す息)で検査が簡便にできますし、肝炎も血液検査ですぐに分かります。職場の健康診断などで定期的に医療機関を受診できるのであればよいのですが、専業主婦の方や定年退職を迎えられた方々は受診の機会が減りますので注意が必要です。
さらには①~⑤のような生活習慣の改善に加え、地方自治体などで補助があるがん検診の活用を。各自治体のホームページなどでがん検診の受診方法を掲載していますので、参考にされるとよいと思います。
医療機関を受診しなくても検査キットを購入して郵送すればOKなものもあります。たとえば、大腸がんなどの初期検査である便潜血検査です。自宅で便を採取すればよいのですから、手間も時間もあまりかかりません。
がん治療は近年、速いスピードで進化しています。早期発見、早期治療によって「治る」率は高くなるのです。ぜひ、チャンスを見逃さないでほしいと思います。
加えて、自分の体としっかり向き合うことも大切。「何かおかしい/いつもと違う」と感じたら、体のサインと受け止めて、医療機関を受診すべきです。
看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う