ドキュメント「国民病」

【変形性膝関節症】手術に伴う最大リスクは感染症

感染後2~3週間なら洗浄だけでOK(C)日刊ゲンダイ

「膝の皮膚の周囲の感染であれば、洗浄などで改善します。しかし、細菌が人工関節に達した場合は、できるだけ早期に感染した部分を洗浄する必要があります。早期に対応を行うことが再置換術(人工関節を入れ替える)を回避するのに重要です。このため、退院する患者に必ず『痛みや発熱などがあれば、すぐに来院してください』と言っています。感染してから2~3週間以内なら、感染した部分を洗浄することによって解決します」

Q3 術後、何年かして人工関節に不具合が生じた場合、どのような治療があるのですか。

「人工関節の金属部分はサビたりすることはなく、半永久的に問題が生じることはありません。しかし、人工関節に使用される人工軟骨部分のポリエチレンは、術後20~30年で一部摩耗することがあります。一番の問題は骨粗しょう症によって人工関節の周囲の骨が痩せてきて、人工関節が緩んでくるケースです。これは、20~30年で100人中5人程度です。ですので、手術前に骨粗しょう症の検査を行い、手術前から骨を強くする治療を行っています。また、術後の患者には1年に1回の定期検診を行い、骨粗しょう症の治療を継続しています」

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