病院は本日も大騒ぎ

点滴量を間違え「おしっこが止まらない」と患者さんが困惑

 関東圏の総合病院に勤務して20年になる看護師のマサエです。

 先日、「ヒヤリハット報告書」についてお話ししました。早くミスに気が付き、医療事故を未然に防ぐことを目的にしたものですが、このヒヤリハットを超えたケースが「インシデント報告書」です。

 私たち看護師は、常に細心の注意を払いながら業務を遂行しています。それでも人間ですから、思わぬ重大ミスも時に起こってしまいます。

 以前、若い看護師のインシデント報告書を目にしたときに「尿検査」のミスを見つけました。

 入院患者さんに尿検査が必要になった場合、まず紙コップを渡します。

 しかし、患者さんによってはすぐに排尿ができないことがあります。そんなときは、排尿を促す「ラシックス」という薬を使います。

 これには飲み薬もありますが、点滴でも行います。ラシックスは医薬品保管場所に置かれ、当日の管理責任者が毎日、患者さんのカルテと見合わせながら使用数を点検します。ところが、ある日どうしても1本足りないことが分かりました。

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