年を取ったらクスリを見直せ

加齢とともにリスク上がるコレステロール降下薬の副作用

(C)日刊ゲンダイ

 この副作用は、スタチンを「服用し始めて数カ月」で表れるといわれます。しかし、長年服用しているから安心してもいいというわけではありません。高齢者は、加齢によって腎臓や肝臓の機能が低下するため、体内の薬の濃度が上がりやすくなります。横紋筋融解症は、「スタチンの用量依存的」に起こるといわれているので、高齢になって気づかないうちにスタチンの濃度が高まって、副作用を招く恐れがあるのです。高齢になるほどリスクが上がるといえます。

 とはいえ、スタチンは効果が高く大切な薬なので、勝手に中止してはいけません。医師や薬剤師に相談しながら、有効に使いましょう。

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中尾隆明

中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。