そもそも人の食欲は、脳の視床下部と呼ばれるところにある満腹中枢と摂食中枢によって制御されています。脳内の神経伝達物資であるドーパミンの刺激により、「腹が減った」「満腹だ」と感じるのです。
マジンドールはドーパミンの作用を調整する働きがあり、食欲をなくしたり、食べてすぐ満腹になるように感じさせます。その結果、「ひもじい思いをして食事を制限している」と思わずにやせられる、というわけです。
むろん、この薬には副作用があります。「吐き気」「便秘」「不眠」「動悸」「頭痛」などです。さらに、長期間服用するとマジンドールに依存する可能性があるとして、厚労省は長くても3カ月しか使えないと定めています。
■日本では別の目的で使われる米国の抗肥満薬
マジンドールの他に、「セチリスタット」と呼ばれる薬が抗肥満薬として、2013年に販売承認を受けたものの、薬価未収載のため保険適用されていません。
当事者たちが明かす「医療のウラ側」