とくに舌の表面の角質が伸びて硬くなり、そのすき間に細菌や食べかすがたまった舌苔は、卵の腐ったようなにおいが一層強くなる。
■肝臓、腎臓も危ない
これらは歯科治療をすれば改善するが、においの原因が体のほかの部分にある場合はそうはいかない。体の異常を知らせるにおいは血液に溶け込んで全身をめぐり、それが唾液腺で唾液に移行し、口いっぱいに広がる。
「一番わかりやすいのが糖尿病の人の唾液です。リンゴの腐ったような甘酸っぱいアセトン臭と呼ばれるにおいがします。糖尿病の人は血糖を取り込みエネルギーに変える役割を担うインスリンが不足するため、脂肪やタンパク質を分解してエネルギーをつくり出します。このとき中間代謝産物としてつくられるのがケトン体で、これにアセトンが含まれているのです。ダイエットでムリな食事制限をした人も同じにおいがします」(木村院長)