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【がん患者への食事】東京医科大学病院 栄養管理科(新宿)

東京医科大学病院・栄養管理化の榎本眞理科長(C)日刊ゲンダイ

 これらの副作用の症状に応じた食事メニューで摂取栄養量を管理するのが、栄養管理科の役割だ。

「食欲がないのに、ご家族の方が『食べないと元気が出ない』と無理に食べさせるのは、ストレスになり、逆効果です。『食べられるときに食べたいものを食べる』が基本になります。体力維持には、BMI(体格指数)が18.5~25、1カ月の体重減少率5%未満などが目安になります」

■食が細ると患者は不安になる

 がん闘病中の栄養指導は、体力維持と同時に治療効果を高めるため、重要になることもある。

 甲状腺がんでは、全摘後に残った甲状腺組織の再発を減らすため、治療用放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用する「アブレーション」という治療を行う場合がある。その準備として、治療の2週間前からヨウ素を含む食品を制限する必要があるのだ。

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