みかんにリスク低下成分 糖尿病・脂肪肝予防は冬が好機

βークリプトキサンチンがオレンジの10倍も(C)日刊ゲンダイ

■β―クリプトキサンチン濃度がオレンジの10倍

 みかんのどの成分が、糖尿病や非アルコール性の肝機能異常を抑えるのに役立っているのか?

「みかん好きは、血中のβ―クリプトキサンチン濃度が高いことが分かっています。これは緑黄色野菜や果物に多く含まれ、活性酸素を抑えるとされるカロテノイドのひとつです。ニンジンに多いβ─カロテン、トマトに豊富なリコペンと同じ仲間です。このβ―クリプトキサンチンは、糖尿病や脂肪肝のような状態で見られる酸化ストレスや炎症を抑えることで、肝機能の低下を抑制し、インスリン抵抗性を改善するのです」

 ちなみに、β―クリプトキサンチンの含有量は温州みかんがもっとも多く、欧米で人気のオレンジの10倍になるという。グレープフルーツやレモンなどには、ほとんど含まれていない。

「β―クリプトキサンチンは、他のカロテノイドに比べて長期間、体内に蓄積されることが分かっていて、4月の血液検査でも高濃度の人が大勢いました。研究では、血中濃度の違いで調べたところ、高い人たちは低い人たちに比べ、糖尿病の発症リスクは57%、非アルコール性の肝機能異常は49%低かったのです」

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