受診までの「応急処置」

【突然のめまい】ロレツの異常やマヒは脳の病気の可能性

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「耳が原因のめまいが疑われたら、まずやってもらいたいのは、枕を少し高くして横になり、安静にすることです。衣類やベルトをゆるめて、リラックスすることが大切です。枕を高くするのは、平衡感覚をつかさどっている三半規管は前方に30度くらい傾いているので、それを水平に保つためです」

 良性発作性頭位めまい症もメニエール病も症状が軽ければ、この対応で治まることが多いという。また、メニエール病や突発性難聴であれば、必ず片側の耳に難聴・耳鳴りを伴うのが特徴だ。

「めまいが強い場合には吐き気が起こります。患者さんとしては、それがつらく、ビックリしてしまいます。しかし、めまいによる吐き気は車酔いや船酔いと同じで自律神経の反射で胃腸が刺激されて起きているので、過剰に心配する必要はありません」

 もし、家庭内に乗り物酔いの薬(トラベルミンなど)があるようなら、それを服用しても応急処置になるという。主成分は「抗ヒスタミン薬」で、市販薬と処方薬では含有量が違うが、医療機関でもめまい症状の薬として処方されている。

「耳が原因のめまいの場合には、あわてなくても大丈夫です。安静にして様子を見てください。ただし、翌日になってもめまいや難聴、耳鳴りが残るようなら、すぐ受診した方がいい。突発性難聴だと、発症から2週間以上経ってしまうと治療をしても難聴が残ってしまいます」

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