当事者たちが明かす「医療のウラ側」

エビデンスがすべてでいいのか? 信じれば偽薬も効果発揮

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 治療法のレベルを扱った論文の信頼度でいうと、「対象者が200人以上、平均追跡期間5年以上、脱落者10%未満」が最も高い、などと決められています。

 そうした厳しいルールの下で得られた「科学的根拠に基づく医療」に信頼があるのは当然です。しかし、医療をすべてこの言葉で片付ける風潮には違和感があります。

 薬の中には「科学的根拠のない薬」というものが少なからず存在します。医師の経験から投与され続けている薬で、その薬理効果を裏付けるハッキリした研究がないケースもあるのです。薬が開発された時代にそうした研究がなされなかったし、それ以降も裏付ける研究をするメリットがなかったなど、さまざまな理由があります。しかし、そうした薬は科学的根拠が乏しいから、薬を飲むのをやめたとしたら、患者さんが不利益を被ることもあると思うのです。

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