数字が語る医療の真実

がん検診の効果は何で検討すればいいのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 がん検診の効果をキチンと検討するのは意外と難しいということをお伝えしてきましたが、これまで取り上げてきた問題点を一気に解決する手段があります。それが、この連載でも何度か取り上げた「ランダム化」と「適切に効果を評価する指標」です。

「ランダム化」とは、検診を受けるグループと受けないグループに、くじ引きで、でたらめに振り分けて、効果を比べる方法です。でたらめに振り分けることで、2つのグループはほぼ同質の集団になります。「年齢」「喫煙率」「肥満」の人の割合、「何か別の病気を持っている人」の割合、さまざまな因子がすべて2つのグループで揃うので、この2つのグループで効果に差が出れば「その差はがん検診を受けたか受けないかによるものだ」と結論できるわけです。

 もうひとつの「適切に効果を評価する指標」は、がん検診の効果を「がんが早期で見つかったかどうか」ではなく、「がんの死亡の差」によって検討することです。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。