ドキュメント「国民病」

【うつ病】医療や福祉で行き届かない部分は「自助会」で

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 スタート時の参加者数は10人。その後、6人、4人まで減ることもあった。だが、発足2年目あたりから20人となり、現在は平均40人前後で推移している。参加者は男性が7割(平均年齢は30~40代)だという。

 世話人の「ゆま」さん(女性、30代)は会の目的をこう語る。

「うつ病の症状というのは個人差があり、またそれぞれが感じる主観的、感覚的なもので、周囲に伝えるのが難しい部分があります。周囲の人になかなか理解してもらえない悩みや苦しみを、同じ目線で語り合い、体験や知恵を共有し、当事者が人らしく生きていけるようになるのが会の願いです」

■参加1年後に再就職できた人も

 常連参加者の一人であるSさん(男性、30代)が、「東京うつ病友の会」の定例会に顔を出したのは1年前だった。初回は、奥さんに腕を引かれて出席した。

2 / 3 ページ