独白 愉快な“病人”たち

「先生とは好相性でした」 山田邦子さん乳がん闘病を語る

デビューからすでに35年(C)日刊ゲンダイ

 1カ月半ほど検査に時間をかけて見つかった腫瘍は、右乳房に2つ、左に1つ。主治医が絵を描きながら説明してくれたのは、両胸の部分摘出手術のプランでした。その時、右乳房上の腫瘍は浸潤がん(転移の可能性が高い)なので切るのは仕方ないとしても、左の腫瘍は非浸潤がんだったので切らなくてもいいのでは? と思い、素直に質問してみました。すると、主治医は「これは勘ですけど、40%の確率でがんになると思います」と言うんです。“こんなに科学が発達しているのに勘って何よ”と思いません? 実は切らなくてもいい程度なのではないかと疑って、来る先生、来る先生にカマをかけてみましたが、どの先生も同じように同じことを言うので、最終的には納得しましたけどね(笑い)。

■人とつながることで元気に

 手術の時の麻酔では「ゆっくり数を数えてください」って言われたので、「いーち」と数えたら、次の瞬間「終わりましたよ」と言うんです。すごいでしょ? しかも、麻酔中に見ていた夢の中で、お寿司屋さんのカウンターに座って今まさに食べるっていうタイミングで声をかけられて、マスクをした主治医の顔が板さんだと思ったくらい。開口一番、「今、食べるところだったのに」と言っちゃいました(笑い)。

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