独白 愉快な“病人”たち

「先生とは好相性でした」 山田邦子さん乳がん闘病を語る

デビューからすでに35年(C)日刊ゲンダイ

 私、それまでずっとひとりでやってきたんですよね。グループとか群れるのが嫌いで、それが自負でもありました。でも、そんなの思い上がりだったんだと気づきました。それからは、人とつながることで元気になったようなものです。

 例えば、放射線治療が始まったとき、乳がんになってからお友達になった方に「毎日タクシーじゃ飽きるから」とSuica(プリペイド型電子マネー)をいただいたの。「これで電車にもバスにも乗れるのよ」って(笑い)。恥ずかしい話ですけど、それまで自分では切符一枚買えなかった。そのSuicaがいろんなことを変えてくれましたね。最近は、がん撲滅を目指す芸能人のチャリティー組織「スター混声合唱団」の団長として、みんなの切符の手配から事務処理全般をひとりでやってます。

 がんになると孤独感がすごいんです。「なんで自分だけ……」って。でも、みんなそう思うんです。みんな同じだとわかって、私はだんだん元気になれました。

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