毎月の「血液検査」(約6000円。1カ月分の医薬品を含む)で、藤田さんは糖尿病の目安とされる「ヘモグロビンエーワンシー」(HbA1c)が8.8%(正常値6.5%未満)、「空腹時血糖」は160mg/dl(正常値110mg/dl未満)もあった。
定年を迎える60歳まで、両方の数値は高止まりのまま。主治医からは「藤田さん、そのうち失明しますよ。定年退職したのですから、奥さんに協力してもらって食事療法を真剣に考えてください」と再三勧告されていた。
定年後、奥さんが食事療法のパンフレットを参考にして、1日3食(1800キロカロリー)のメニューを作った。半年ほどして藤田さんのHbA1cは7.2まで落ち、正常値に近くなる。気をよくした藤田さんは、さらに「運動療法」にも着手する。
ドキュメント「国民病」