当事者たちが明かす「医療のウラ側」

人工知能が究極のかかりつけ医になる

■時系列問題が苦手

 実は、同じことが内視鏡診断でもできるようになりつつあります。開発された内視鏡診断システムは内視鏡専門医が4秒かかる診断を、0.3秒という速さで行い、95%以上という高い正答率を叩き出すことができるというのです。もはや膨大な医学論文を詰め込んだ人工知能が支配する診断支援システムの作動は待ったなしです。

 では、医師の仕事は完全に人工知能に取って代わられるのでしょうか? どうやらそうともいえないようです。先ほどの医師国家試験をパスする人工知能を開発している教授によると人工知能はいまのところ、時系列の情報の意味を理解できないそうです。例えば、「1カ月前の発熱」「1週間前の発疹」といった時系列での普通の文章は、「1カ月前に発熱しました」「1週間前に発疹が出ました」というふうに言い換えてあげないと、まだ理解できないというのです。

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