また、生活習慣病がベースになった心房細動による脳梗塞は、予後が非常に悪いこともハッキリしています。脳血管自体の問題による脳梗塞に比べると、死亡率が高いうえ、助かったとしても半身麻痺や機能障害といった後遺症が残りやすい。脳梗塞の中で、心房細動などによる心原性の脳梗塞は全体の35%ほどですが、後遺症が残る率は脳血管疾患が原因の脳梗塞に比べると70%も多いというデータがあります。
有終の美を飾って種牡馬になり、充実したであろう余生を送ったオグリキャップのように、天寿を全うするためには心房細動をしっかり防ぐ必要があります。それには、原因になっている生活習慣の改善が重要です。
心房細動は、発覚した初期に対応すればどんな治療法でも治る確率が高くなります。放っておけば放っておくほど心房の筋肉が衰えることで治りにくくなるので、初期対応が肝心です。初期の段階で、肥満、高血圧、高血糖を是正することによって治る場合もあるので、まずは生活習慣の改善を心がけましょう。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」