役に立つオモシロ医学論文

“アイスクリーム頭痛”はゆっくり食べると避けられるの?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 この2つのグループを比較して、アイスクリームを食べて5~10分後に自己報告されたアイスクリーム頭痛の発生率や持続時間を検討しています。

 その結果、アイスクリーム頭痛の発生率は5秒以内で食べるよう指示されたグループで27%、30秒以上かけて食べるよう指示されたグループでは13%でした。この発生率を比較したところ、アイスクリームを急いで食べると2.2倍、統計学的にも有意に頭痛の頻度が多いことが示されました。

 ゆっくり食べた方が頭痛は起きにくいといえるかもしれませんが、それでも約1割の人が頭痛を感じているようです。また、報告された29件の頭痛のうち、59%は10秒未満の頭痛でした。多くのアイスクリーム頭痛は一時的な症状といえるでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。